Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
「なるほど」
「だから、この国の土中にかくれた、過去の偉大な白骨は、この国の非常なときに応じて、いつでも、その時にふさわしい古人が、現在の生きているものから呼び迎えられる。そして文学やら絵やら口伝やら、あらゆる象をとおして、ひとの知性や血液にまではいってゆく」
「ははあ、そうですか」
「そうだろう。……知らぬまにその人のなかには、古人の意志が住んでいることになる。たとえば、おまえが半年のあいだ、正成公の碑にむかって、カチカチカチカチ鑿をもって仕事しているうちには、いつか、正成公のこころが、一滴の血ぐらいでも、おまえの意志のなかにはいって来たにちがいない。そう考えてみたら分ろう」
「なんだか、わかり出しました」
「だから、古人は白骨であるが死んではいない。つねに今の生けるひとのたましいをかりて、次の時代までの働きをしている」
「おもしろいものですね」
「いや、こわいな、ひとの生命の長さを考えると。五十年はめしを喰っているうちだけのことだ。生命の波及することは限りも知れない。次から次、次から次、国土とひとのあるかぎり、自分の生命は結果のない結果を及ぼしてゆく」
「ちと、むずかしい」