Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate

Aozora Bunko

それがしのいささか上手は、尺八だけでござるよ」

と、笑い消し、

「どうです、まだだいぶ残っていますぞ」

と、酒徳利をまわした。

焚火と酒と、たれの顔もみな赤い。けれど、酔うほどに、かれらは、きょうまで覚えたことのない情熱に沸りたてられていた。――真人間にかえりたいという欲望であった。

「ゆかしいご謙遜、いよいよ敬服しました。貴殿のようなお方こそ、真に強くてやさしい武夫というものかと、しみじみ、わが身が顧みられます」

と、浮田甚兵衛が代って、心からあたまをさげた。そしていうには、

「身の恥はもうつつめど及ばずですから、あからさまに恥ずかしいお訊ねをいたすが、それほどな貴方、また水戸の老公ほどなお方が、碑をたて、世に顕そうとまで、崇拝しておられる楠木正成とは、いったい、どれほど偉かった人物でしょうか。――この後はわれわれも心して、せめてその人の伝記なりと知ろうとぞんずるが……」

「いや、そこへ気づかれたら、ぜひ深くお学びあるがよい。何をつつもう。先頃、各※(二の字点、1-2-22)の狼藉にたいして、自分は一たんは、憤怒に燃え、みなごろしにもせんとまで思いましたが、いや待て、ばくちに日を暮すあぶれ者とても、そのあぶれ者に飼われている浪人とても、まことに畏れ多けれど、わが大君の民くさでない者はない。