Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
年はやがて五十にもとどこうが、そうは見えない。ゆかしげに上品に、総じて若づくりのせいもあろうが、髪はひとすじも白くなく、きれいになでつけ、面は化粧しているかのように、色白でありすこし頬紅を使っているように赤味ざしている。眉は秀才がた、鼻骨はたかく、唇もとのしまりよく、愛嬌のこぼるるようなところがあり、面、肩の肉、背丈など、一体に薄肉のたちである。
――うしろの襖が開く。
音もなかったほど静かに。
そしてひとりの美人が、かれの前に茶を改めた。
すこし退って、
「まことに、お待たせいたしました。あいにくと、お客来がかさみまして、殿さまのお立ちあそばすおいとまもございませぬので……」
吉保の侍臣からいわれて来たことばを、そのまましとやかに告げると、客は、
「いやいや、ごもっともでございますとも、深更にでもならなければ、なかなかおからだにすきもないお忙しさは、存じての推参、決して、お気づかいたまわるな。いつまででも、お待ちしておりますれば」
さきは侍女と分っているが、客はいんぎんに、やや手を膝から辷らせていう。
「では、もうしばらく……」
侍女は立ってゆく。