Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
「世間に見ッともないから、しばらくは親類の家へ置いといたけれど、きょうはお祭なので、そっと遊びに来たのだよ」
「お次さんが奉公している縁故から、弟の林助も、検校のおやしきへ、住み込むようにしてもらったわけだが……実はその林助からは、ここ二月余りも便りがない。どうしたのかと、案じぬいていたところだが……おかみさん、何か、林助が不始末でもしたのではないか」
「いい難いけれど、娘が出された理も、何だか、林助さんの事になるらしい。けれど、おやしきでも、一切、事情を仰っしゃって下さらないし……」
「はてな」
又四郎は箸をおいて、その腕を胸に拱むと、大きな眼を壁の一方にすえてしまった。
その眼を見ると、おかみさんはふと怖くなった。この人はおさむらいであったと、改めて思い直すのだった。
又四郎の眉に、いよいよ憂いの濃いものがある。今も今とて、昼寝の手枕に、江橋林助の夢をありありと見ていたほどである。
よく林助の夢を見る。けれどそれは、余りに彼の消息を案じているせいだとのみ、いつも、いい夢占にせよ悪い夢占にせよ一笑に附していたが――何だかそういいきれないものが日の経つほど感じられてくる。