Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate

Aozora Bunko

夜前はちと、ごきげんにまかせて、お相手とはいえ、長居を仕りましたから、どうかと、あとでお案じして退がりましたが」

「いやいやご隠居さまには、今朝ほどはもうお床を払っておいでなさる。まだ、お咳は多少あそばすが、何せい、平常からお横になっているのは、大嫌いなご性分じゃし……」

「やはり軽いお風邪の程度とみえる。壮者もしのぐお元気、ご心配はないでしょう」

「が、何といっても、お年齢ばかりは……な」

「多少は、お弱りが、窺われますかの」

「おととしよりは去年、去年よりはことし、あれほどお好きな謡曲にしても、近ごろは、お謡いも極く稀じゃし、興にのって、仕舞をあそばすようなことも、とんとないのを見ても」

「このたびのご出府には、何ぞにわかに思い立ち遊ばしたことでもおありなのであろうか」

「いや何、別して、ご用のあるわけはない。――やはり仰せられている通りでおざろう」

「どういうことを仰せられているので」

「申すもちと辛いが……ご自身でも、はやご老齢を観念あそばされたか、このたびが、江戸表の出納めよと、西山をお出ましの節も、道中でも、仰せられた」

「では、こんどを、最後のご出府として?」