Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
帰りには母の墓へ行ってお詣りでもするつもりかな? と私は考えました。
いよいよ見覚えのある、寺の門前へ出て来ました。何百年をへたとも知れぬ磨滅した、甃や、青苔の生えた石段の向うに、例の仁王門がすっくと、聳え立っています。そしてその遥かの奥に、楼門とは似ても似つかぬ萱葺きの小さな本堂が、真っ闇な老杉に囲まれて、昔に変らぬ陰森さを漂わせていました。
が、その石段を上ると、兄は本堂の方へは足を向けず、そのまま仁王門の横について、グルッと廻りました。裏手には、この楼門へ上るための、頑丈な格子戸がついているのです。初めて、落ちつきなく怯ど怯どと、兄はあたりを見廻しました。
「おい、だれか見とるといけんから、早く、早く! だれも見とらんか、見とらんか? さ、急いで入れ!急いで!」
自分も後から飛び込むと、初めて吻っとしたように、扉に掛金をかけました。埃だらけのその板の間に、粗末な段梯子が付いているのです。古い朽ち木の梯子に、新しく手を加えたらしく、それを上り詰めた板の間には、さらにもう一つ、同じような梯子があります。これを上ると、またもう一つ。
埃だらけの板の間へ出ては上り、出ては上り、都合三つの梯子を上り詰めたところが、一番のてっぺんと見えて、ミシミシと踏んでいる板の間の割れ目から、仁王様の頭のてっぺんが、見えてい