Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
こっちで一緒に暮しましょうよ。人の命なんて何時どんなことになるかわからないんですもの」
とふだんの勝気にも似ずしみじみ感じたように、しかし幾分甘えた口調で君太郎が言った。が、それでも私が無言でストーヴをみつめて考え込んでいると、ふと気を変えたように、「明日発つ時、その池田病院とかいうのへ、ちょっと玄関だけでも見舞って行きましょうね。そうしておけば、後まで嫌な思いが残らないで済みますから」
と、しんみり言った。
「ああ、そうしよう! そうしよう!」
と、私も賛成した。君太郎に勧められるまでもなくそうでもしなければ、今の私にも到底このままでは、この惨たらしい記憶に幕が降ろせそうもないのであった。丸髷には結っていても一見誰にでもすぐそれとわかる君太郎なぞを連れてそんなところへ顔出しするのは、いかにも人の不幸のところへ心ない遊蕩児の気紛れな仕業と人に取られるかも知れなかったが、思う人には何とでも思わせておいて、明日はぜひそうしておいてからこの留萌の町を去ってしまおうと考えていたのであった。
床へはいってみたり、ストーヴの前へ座を占めてみたり、そして東京へ行くとか行かないとか、ポソポソと二人でしゃべり合ってとうとう私たちは一晩中眠らずじまいであった。