Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate

Aozora Bunko

君とふたり、まことにわびしい日をくらしてはいられますが、殿さまからは、生涯無役、客分として大村藩のつづくかぎり、禄高四千八百石にあておこなうものなりという、お墨付をもらっていられる、まことに、気楽な身分のかただったのです。

これで、この少年が美々しい小姓すがたはしていても、けっしてたんなる殿さまのお小姓でないことは、みなさまにもおわかりになったであろうと思われますが、同時にこの少年が、幼より碁の道にひいでて、天才碁客として、その方面にだれ知らぬものない名をうたわれて、まねかれれば城代家老の邸へも足はむけられますが、もってうまれた名家の気品たかく、たかが家老ぐらいがかんしゃくを起そうがおこすまいが、眉毛ひとつうごかされぬわけも、またみなさまにはおのみこみになれたであろうと思われます。

やがて坂をのぼりきって、うつくしい小姓すがたは白扇片手に、しずかに玉砂利をふんで城代屋敷の表玄関へとかかりました。

すでにさきほどの佐平治から、

「竜胆寺さまの御入りィ!」

と、さきぶれがかかっておりますから、このときには召使一同玄関へいながれて、頭をさげております。

そしてかんしゃくはおこしても、左近将監とても座敷にすわって、横柄にかまえているわけにはまいりません。