Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
しかも気のせいか、藤はまっさおな顔をして、目ばかり妙にギラギラと薄気味悪い光をはなっているのです。
「まあおどかしちゃいやだよ、お藤さん、なんてまあこわい顔をして!」
と、そばへよろうとして、
「あら、あんたはまあ! なんてすばしこい人なんでしょう。いつのまにそんなかっこうをして! まあおどろいた! まるで手品つかいみたいな人ねえ!」
と、ふたたび八重がおどろきの叫びをあげたのも道理!
この納戸の中へさきまわりして、この藤がはいっているさえびっくりなのに、いま気がついて見れば藤はいつのまにか、頭の手ぬぐいをとってたすきをはずし、裾をちゃんとおろして、しかもそのうえ、手に小さなふろしき包みさえもっているのです。
こうなってきてはもうこの藤という女は、人間業をする女とは思われなくなってくるのです。しかも藤はなんともいわないのです。
「どうしたのよ、お藤さん、なぜそんなこわい顔をして、人の顔ばっかり見てるのさ?」
となにげなくすりよったとたん、藤の目がギラリとすごい光をはなって、はじめてのどの奥からおしだすように、妙な声をだしました。しかも八重は気がつきませんでしたが、その声はなにかかすれたような声で、たったいま玄関で問答してきた藤の声とは思われぬような声だったのです。