Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
お小姓街道のつきるところは、自然石をならべた小川の橋になります。ここへくるまでに、すでに左近将監は、町からとぼとぼと杖をつきながら、つつみをせおった老婆をひとりと、そのあとからきた村の百姓とを、すれちがいざまに一刀のもとに斬りたおしていました。
そしてその石の橋をわたって約一町あまり、しだいしだいに城の大手、例のいつか黒装束の曲者のあらわれた、桜並木の馬場へとせまってきましたが、時刻はちょうどいまの夜の八時半ごろであったろうかと思われます。
町でいっぱい飲んだらしくほろよいきげんの侍ふたり、提灯をつけて朗々と詩を誦しながら、お城のほうへときかかりました。
「くせもの、思い知ったか」
追いすがりざまにバッサリと一太刀……。
「ウウン」
と、ひとりはたちまちその場にたおれましたが、つれは心得ある侍とみえて、そこの木立をたてにとって刀をぬきあわせました。
「無礼ものめ、曲者よばわり奇怪な! 名をなのれ! 拙者は御書院番多治見数馬、人からうらみをうけるおぼえはないぞ」
「おのれ、くせもの、思い知ったか!」
「名をなのれ、名を!……ほほう、これはめずらしい! 貴様はそうとうにつかえるな」