Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
飛行機では、本省情報文化局長に就任のため、帰朝される倫敦駐箚の城田前公使と、一緒でした。
「おい、未来の大使!」
と笑いながら公使が、背後から肩を叩かれました。
「三十になるやならずで、欧米一課長には抜かれるし、中込氏の令嬢は射落とすし、地位と美人と財力と……果報者! 日本へ着いたら一体、何を振舞ってくれるんだね?」
公使に冷やかされるまでもなく、私もそうだと感じました。母の亡なったことだけは、淋しい限りですが、私のような農家の次男に生れてこの幸福は、まったく身に余る仕合せだと思いました。
貴方と結婚することが私に財力なぞを与えることには少しもなりませんが、この時だけはこの公使の言葉さえも、一層私の幸福感を、増大させました。男と生れたからには、私も一度は政治家として、大臣くらいにはなってみたいと思ったからなのです。
政治家になって政党を操縦するのには、何千万何億という資金を、必要とするでしょう。外務省の官吏なぞを何十年勤めたからとて、そんな大金なぞのできようはずは、ありません。ですからその時は、貴方のお兄様に頼んでお父様にでも、軍資金を出して戴いて……なぞと、考えたからなのです。