Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

村から町へいくとちゅう、道ばたに大きい松が一本あり、そのかげに茶店が一軒ありました。ちょうどうまいぐあいに、松の木が一本と茶店が一軒ならんであるということが、和太郎さんにはよくなかったのです。というのは、松の木というものは牛をつないでおくによいもので、茶店というものはお酒の好きな人が、ちょっと一服するによいものだからです。

そこで和太郎さんは、そこを通りかかると、つい、牛を松につないで、ふらふらと茶店にはいって、ちょっと一服してしまうのでした。

ちょっと一服のつもりで、和太郎さんは茶店にはいるのです。けれど酒を飲んでいるうちに、人間の考えはよくかわってしまうものです。もうちょっと、もうちょっと、と思って、一時間くらいじきすごしてしまいます。するとちょうど日ぐれになりますから、「ま、こうなりゃ月が出るまで待っていよう。暗い道を帰るよりましだから」と、またすわりなおしてしまいます。

ほんとうに、そのうち月が出ます。野原は菜の花のさいているじぶんにしろ、稲の苗のうわったじぶんにしろ、月が出れば、明るくて美しいものです。しかし月が出ても出なくても、もう和太郎さんには、どうでもいいことです。