Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

すると、加市君、兵太郎君、徳一君という、なきだしとはぎゃくの順で、せみが鳴きやむようになきやんでいった。

そのとき、太郎左衛門がこういった。

「ぼくの親せきが大野にあるからね、そこへいこう。そして電車で送ってもらおう」

どんな小さな希望にでもすがりつきたいときだったので、みんなはすぐ立ちあがった。しかし、それをいったのが、ほかならぬ太郎左衛門であることを思うと、みんなはまた、力がぬけるのをおぼえたのである。もしこれが、だれかほかのものがいったのなら、どんなにみんなは勇気をふるいおこしたことだろう。

やがて、大野の町にはいったとき、みんなは不安でたまらなくなったので、

「ほんとけ、太郎左衛門?」

と、なんどもきいた。そのたびに太郎左衛門は、ほんとうだよ、とこたえるのであったが、いくらそんなこたえを得ても、みんなは信じることはできなかった。

久助君も、太郎左衛門をもはや信じなかった。――こいつは、わけのわからぬやつなのだ、みんなとはものの考えかたがまるでちがう、別の人間なのだと、思いながら、みんなにたちまじっている太郎左衛門の横顔を、するどく見ていた。すると、太郎左衛門の顔は、そっくり、きつねのように見えるのであった。