Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate

Aozora Bunko

「…………」

「人形様が夫婦なら、お守りの私達二人の者も……」

またジワジワと膝を進め、

「夫婦でなければ格好がつかず……」

「…………」

「オホ、嬉しいじゃアございませんか。……お梅や!」

「は――い」

すぐ隣室から、お梅の答える声がして、襖がとたんにひらかれた。

「おやお梅そこにいたのかえ?」

「イ、い――え、来かかりまして……」

「そうかえ、それならいいけれど、立ち聞きなんかしちゃアいけないよ」

「まあそんなこと……まア奥様……」

「何をマゴマゴ! ……お酒の仕度おしな」

「いや梶子殿、酒などなかなか……」

驚いて民弥は手を振った。

「明日は出立でございますれば、これより屋敷へかえりまして、万端用意いたしませねば……」

「そうでしたねえ、そうおっしゃられれば、妾も明日出立ゆえ、諸事あらかた取りまとめねば……」

「梶子殿、今日はこれで……」

と、民弥は一礼して立ち上がった。

「お酒はゆっくり泊まり泊まりの旅籠で。……ホ、ホ、……妾は何んだかこう……」

これほどの女ではあったけれど、恋にかかっては全く盲目、娘の子のようになってしまい、梶子はソワソワウロウロした。

その日の夕方、黄昏時に、中山様のお屋敷の角で、――柳の木蔭に佇んで、三十郎とお梅とが話していた。