Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate

Aozora Bunko

「わけはないように思われますが、帰って来ないところをみますると、わけがあるのでござりましょうよ」

昨夜の浜松の火事の様子や、松浦民弥があの火事によって、災難を受けはしなかったか? そんなことが心にかかったので、梶子は三十郎を無理に勧めて、配下の博労の由蔵を、今朝ほど早く浜松へやり、それらを探るようにさせたのであった。

その由蔵が今になっても、帰って報告しないので、梶子はジリジリしているのであった。

「例によりまして梶子殿には、松浦民弥殿の身の上になると、一生懸命でござりますなア」

三十郎は皮肉に云った。

このことが彼には腹立たしいのであった。

自分を親の敵と狙う、その民弥を恋しがり、梶子が夢中の態でいる! ……このことが三十郎には腹立たしいのであった。

と云うのは三十郎が梶子に対し、恋を感じているからで。……

「そうとも」

と梶子は思い切って云った。

「あたしゃア民弥さんに首ったけなのさ!」

この思い切った言葉というものは、梶子としてもこれまでにない、文字通り思い切った言葉であった。

(どうせ自分が民弥さんを、烈しく恋しているということ、三十郎は察しているのだよ。