Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
隠したところで仕方がない。……よしんば隠していたところで、この邪智ぶかい三十郎が、眩まされる筈はないのだから)
こう思って思い切って云ったのであった。
「首ったけ! フフン、なるほどなあ」
三十郎は不快そうに云った。
梶子が民弥に首ったけだ! ……ということは云われないでも、三十郎にはわかっていたが、しかし自分が恋しているところの、梶子によってそんなように、ズバリとばかり云われては、不快に思わざるを得なかった。
「おおかたそうとは存じていましたが、そうハッキリと仰せられては、拙者テレざるを得ませんなあ」
「テレるような言葉を云い出させたのも、お前さんのやり口が悪いからさ」
「やり口が悪い? やり口とは?」
「このようにあたしを手籠めにして、こんなところへ連れて来たことさ」
「それというのもあなた様を、わたくし恋しておりますのでな」
「そこでハッキリと云っておくが、あたしにゃア今も云ったとおり、民弥さんという人があるのだから、色だの恋だのとイヤラシイことを、今後は云って貰いますまいよ」
「そうか!」
と腹に据えかねたように、三十郎は悪党の本性、そいつを露骨にあらわして、威嚇するように荒々しく云った。