Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate

Aozora Bunko

「そうか、なるほど、よく云った! そうハッキリと心持ちを、臆面もなく明かした以上、覚悟も出来ておりましょうな!」

「覚悟! 何んだよ、覚悟とは?」

「一旦想いを懸けたからは、必ず通す三十郎、何をそなたに要求するか?」

「手足を縛って力ずくで、想いをとげるとでもいうのだろう?」

「いざとなればそこまで行く!」

「面白いねえ、やってごらん!」

「ヨーシ!」

ヌッと三十郎は、片膝を立ててノシ上がった。

が、急に苦笑いをし、穏かに元の座に直った。

少し前まで用心棒として、仕えていたところの梶子であった。

傍若無人の彼ではあったが、そういう梶子を暴力にうったえ、我慾をとげるということが、どうやら良心に咎めたらしい。

で、苦笑して座に直った。

気まずい感情を持ちながら、二人はそのまましばらくの間、横を向いて黙っていた。

開けられてある障子の間から、野良の風景が見えていた。

大根畑、葱畑は、青く耕地にひろがってい、稲は相当にたけを延ばし、葉を微風に靡かせてい、鳥の群は空ひくく舞い、それに驚いたか雀の大群が、パッと一時に立ったりした。

野良唄の声なども聞こえて来、モーッと鳴くノンビリした牛の声も、どこからともなく聞こえて来た。