Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
はいって来た蚤とり武士を見ると、乳母は驚いて叫ぶように云った。
「身分は武士、業は蚤とり、浮世はさまざま、アッハッハッ……おお、おおこれは可愛らしい猫で。年齢は一歳か。二、三ヵ月越すか。その辺の見当でありましょうな……蚤に食わせては可哀そうじゃ。どれどれ取って進ぜよう。……が、ちとばかり無心がある。……湯をつかわせていただきたいもので」
武士は上がり框へ腰をかけて云った。
「湯をつかわせとおっしゃいますと?」
「ナニさ、その猫に風呂をあびさせることじゃ」
「おやまあさようでございましたか」
乳母は奥へ引っ込んだが、間もなく行水を使ったらしい猫の、濡れた体を吊るしながら、三畳の間へ帰って来た。
その間に武士は腰に巻いて差した、白猫の皮の鞣したのを取り出し、畳の上へ延ばしたが、
「では拝借」
と猫を受け取り、皮でクルクルと引っ包み、その上を片手でそっと抑えた。
扱い方にコツがあると見えて、猫は啼きもせず足掻きもせず、皮の外れから顔を出し、金色の眼で武士を眺め、緋の編紐の巻いてある咽喉を、ゴロゴロ鳴らして静もっていた。
編笠ごしに家の奥を、それとなく武士は窺ったが、