Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
「お前一体ここへ何しに来るんだ。」
親爺は栗栖の家の少し手前の処で、銀子を遮った。
「用があるのよ。」
「何の用だかそれを言いなさい。己に言えない用があるわけはない。」
磯貝は悪く気を廻していたが、銀子も立ちながら諍ってもいられず、一緒に還ることにした。
そのころになると父の店もやや調い、棚の前通りにズックの学生靴や捲ゲートル、水筒にランドセルなど学生向きのものも並べてぼつぼつ商いもあり、滝に打たれたせいか父の頭も軽くなり、仕事に坐ることもできた。上の妹は小山で当分寝泊りすることになり、小さい方の妹たちは磯貝の勧めで、学校から帰ると踊りの稽古に通わせ、銀子が地をひいて浚ったりしていた。
ある日の午後も、銀子は椿姫の映画を見て、強い感動を受け、目も眩むような豪華なフランスの歌姫の生活にも驚いたが、不幸な恋愛と哀れな末路の悲劇にも泣かされた。彼女は「クレオパトラとアントニイ」や「サロメ」など、新しい洋画を欠かさず見ていたが、弁士にもお座敷での顔馴染があり、案内女にも顔を知られて、お座敷がかかれば、そっと座席へ知らせに来てもくれた。
そのころ銀子は二度ばかり呼ばれた東京の紳士があり、これが昔しなら顔も拝めない家柄だったが、夫人が胸の病気で海岸へ来ているので、時々洋楽の新譜のレコオドなど買い入れて持って来るのだった