Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
彼女は簿記台に坐って毎朝玉帳につけていても、芸者への勘定はついしたことがなく、計算の頭脳をもたない一般の慾張りと同じく、取るものは取っても、払うものは払い汚くなりがちであった。彼女は帳面がこぐらがって来て、手におえなくなると、そのころ株式に勤めていた伊沢という男に来てもらい、会計検査をしてもらうことにしていたが、それも単に数字のうえのきまりだけで、実際生活上の経済はやっぱりこぐらがっているのだった。
ひどく派手っ気な彼女は、どうかすると全く辻褄の合わないことをやり、女一人でいると、時には何か自分の閉じ籠もっている牢獄の窓を蹴破って飛び出し、思う存分手足を伸ばし胸を張り呼吸をしてみたくもなるものと見え、独りで盛装して出て行き、月に二三度くらいは行くことにしていた料亭に上がり、家に居残っている抱え全部に、よその芸者も一流どころの年増連をずらりと並べ、看板の宣伝かたがた札びらを切って歓を交し、多勢の女中にも余分の祝儀をばら撤き、お母さんお母さんと煽りたてられて、気をよくしているのであったが、一面ではまた月末の勘定をしてやらないので、それによって母と弟と二人が生計を立てている春次の母親が、せっせと足を運び、坐りこんで催促したりするのが煩く、用ありげにふいと席をはずすような、矛盾と気紛れを多分に持っているのだっ