Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
「いやどうもすっかり世話女房気取りだね。こいつは当てられました。」
県の議員なんかをやってる素封家の子息である従兄はそう言って、顔を赤くしている新夫婦に目を丸くした。葉子もこの従兄とのかつての恋愛模様と、新夫婦を母とともども小樽まで送って行った時の、三人の三角なりな気持の絡み合いは、何か美しい綾の多い葉子の話しぶりによると、それは相当蠱惑的なローマンスで、モオパサンの小説にも似たものであった。途中のある旅館における雨の侘しい晩に、従兄への葉子の素振りの媚めかしさが、いきなり松川の嫉妬を抑えがたいものに煽りたてた。ちょっと話があると言って、にわかに葉子は薄暗い別室に拉れこまれた。
「おれはお前の良人だぞ!」
彼はそう言って葉子が顫えあがるほど激情的に愛撫した。
着いてからも、従兄はしばらくその町に滞在していた。そして毎夜のように酒と女に浸っていたものだった。
ある日離れで葉子と庸三とが文学の話などに耽っていると、そこへ母親が土間の方から次ぎの間の入口へ顔を出して、今瑠美子たちの継母と二人の書生とが、この古雪の町へ自動車で乗りこんで来たというから、多分子供たちを取り戻しに逆襲しに来たに違いない。