Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
何よりも母に来てもらわなければならなかった。
葉子は湯河原の帰りにも、汽車のクションで臥ていたくらいで、小田原でおりた時は、顔が真蒼になって、心臓が止まったかと思うほど、口も利けず目も見えなくなって、庸三の手に扶けられて、駅脇の休み茶屋に連れこまれた時には、まるで死んだように、ぐったりしていたものだが、やっと男衆の手で、奥の静かな部屋へ担ぎこまれて、そこでややしばらく寝んでいるうちに、額に入染む冷たい脂汗もひいて、迅い脈もいくらか鎮まって来た。彼女はどうかして痛い手術を逃げようとして、かえって手術の必要を痛切に感ずるようになった。
ある日、葉子は、濃い鼠に矢筈の繋がった小袖に、地の緑に赤や代赭の唐草をおいた帯をしめて、庸三の手紙を懐ろにして、瑠美子をつれて雪枝を訪問した。雪枝は内弟子に住みこませることを快く引き受けてくれたが、詩も作り手蹟も流麗で、文学にも熱意をもっているので、葉子も古い昵みのように話しがはずんだ。庸三が葉子につれられて、お浚いを見に行ったのも、それから間もないある日の晩方であった。
「私も小説が書きたくて為様がなかったんですけどもね。