Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
彼なりの小さい世俗的な家庭の幸福がまた彼の文学的野心にも影響しないわけに行かなかった。とかく庸三は茶の間の人でありがちであった。書斎にいる時も、客に接している時も、大抵の場合彼女もそこにあった。それに彼は多勢の子供の世話をしてくれる妻の心を痛めるようなことは、絶対にできなかった。今庸三は孤独の寂しさ不便さとともに、自分の金を懐ろにし自分の時間と世界をもつことができた。狭い楽しい囹圄から広い寂しい世間への解放され、感傷の重荷を一身に背負うと同時に、自身の生活に立ち還ることもできた。
その日も出癖のついた庸三は、ふらふらと家を出て、通りで自動車を拾ったが、憂鬱な葉子の病室を見舞う気もしなかったので、自然足は川ぞいの家へと向いた。何といっても家が広くなっていただけに気分の悪いはずもなかったが、出来あがってみると、どこもかしこもやってつけの仕事のあらが目について、どこから狩り立てて来たかも知れない田舎大工の無細工さが気になった。それに工事中ろくろく家財や書物の整理もできなくて、裏の家へ積み込んであったので、紛失したものも少なくなかった。近所の路次うちの悪太郎どもが、古板塀を破って庭から闖入し、手当たり次第持ち出して行ったらしい形跡が、板塀の破れ目から縁側まで落ち散っている雑書や何かを見ても解ったが、昔ものの手堅い