Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
しかしまた、なまじいに正体を突き止めたり何かするよりかも、今度はぼやかしておいた方がいいとも思って、なるだけ足を運ばないようにして来たのだったが、来てみるとやはり気になるのであった。と言っても彼も妄動のいけないことに、だんだん気がついていた。一度心が揺れはじめると、容易には揺れ止まないので、そういう時は、部屋にじっとしているに限るのだった。そして光線を厭うように二人で下宿の部屋に閉じ籠もっている時の憂鬱さを考え、それがあたかも人生の究極絶対の法悦ででもあるかのように遊戯に耽ける時の、不健康さの無駄な繰り返しを思ってみるに限るのであった。
首相の放送を終りまで聞かずに、庸三はやがて明るい表通りへ出て来た。そしてそういう時には、独りで歩くのもまた楽しかった。
葉子の身のうえに、今までにもかつてなかった、おそらく今後にもあるまいと思われる恋愛事件の発生したのは、翌年の春のことだったが、それは環境と年齢と柄合いから見て、二人にとってきわめて自然の成行きであり、魔の翅のような予感は前から薄々影を落としていた。庸三はそれを希わないだけに、わざとしばしば擬装的な示唆を与えてみたのだった。