Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
「母さんどうしたの。」
庸三は傍へ寄って来る瑠美子にきいてみた。瑠美子は悪怯れてもいなかった。
「あのね、ママは今日ね、私と一緒に銀ぶらに行ったの。だけどママはほかへまわることになったの。それで北山さんに電話をかけて私を連れに来てもらったの。」
何のことだか解らなかった。北山や史朗にきいてみるのも無駄であった。庸三は煙草をふかしながら、しばらく横になって目を瞑っていたが、太々しくも思えて、やがてそこを出て来た。
葉子によって庸三に紹介された年少詩人のこの場合の立場の不利であったのはもちろんだが、しかし去就に迷うほどのことでもなかった。彼はそのころ、庸三に接近しているある大新聞の学芸欄記者に拾われて、その下に働いたことがあり、ほんの二三カ月だったが、とにかくジャアナリストとしての一役を当てがわれて、すっかり朗らかになっていたこともあった。やっと少し喫茶代や煙草賃に有りついたと思うと、印刷職工から相手にされず、主任も手を焼いて止させてしまったが、その代り文壇の先輩にいくらか知られるようになり、有名な大森の詩人に近づくこともできた。しかし一度失業すると、小遣取りの口に有りつくのは容易でなかった。