Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate

Aozora Bunko

「私も傍に人がいるから、言いたいこともいえないでしょう。は、はとか、ああそうですかとか言ったきりで電話を切ってしまったの。私が行くとも行かないとも言わないもんだから、みんな変な顔していたけれど、それから警戒しだしたの。お風呂へ行くにも髪結いさんへ行くにも、何とかかとか言って、子供を守りするふうをして幸ちゃんが付いて来るの。どこの主人でも、抱えとお客とあまり親密になることは禁物なんだわ。どこの出先からも万遍なくお座敷がかかって、お馴染のお客とも付かず離れずの呼吸でやらしたいから、後口々々と廻すように舵を取るんです。いいお客がつかないのも困るけれど、深くなるのも心配なんです。」

均平はこの世界の内幕は、何も知らなかった。

「私もその時分はこれでなかなか肯かん坊だったから、ああこれなら安心だと監視の手が緩んだ時分に、ちょっとそこまで行くふりして、不断着のまま蟇口だけもって飛び出してしまったんです。そして東京駅でちょっと電話だけかけて、何時かの汽車に乗ってしまったの。」

「それで……。」

「それから別に……。三保の松原とか、久能山だとか……あれ何ていうの樗牛という人のお墓のある処……龍華寺? 方々見せてもらって、静岡に滞在していたの。