Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

素戔嗚は高い柏の上から、しばらくこの騒ぎを見下していた。するとその内に女たちの一人は臂に懸けた竹籠もそこへ捨てて、危く鳩を捕えようとした。鳩はまた一しきり飛び立ちながら、柔かい羽根を雪のように紛々とあたりへ撒き散らした。彼はそれを見るが早いか、今まで跨っていた太枝を掴んで、だらりと宙に吊り下った。と思うと一つ弾みをつけて、柏の根元の草の上へ、勢いよくどさりと飛び下りた。が、その拍子に足を辷らせて、呆気にとられた女たちの中へ、仰向けさまに転がってしまった。

女たちは一瞬間、唖のように顔を見合せていたが、やがて誰から笑うともなく、愉快そうに皆笑い出した。すぐに草の上から飛び起きた彼は、さすがに間の悪そうな顔をしながら、それでもわざと傲然と、女たちの顔を睨めまわした。鳩はその間に羽根を引き引き、木の芽に煙っている林の奥へ、ばたばた逃げて行ってしまった。

「あなたは一体どこにいらしったの?」

やっと笑い止んだ女たちの一人は蔑むようにこう云いながら、じろじろ彼の姿を眺めた。が、その声には、まだ抑え切れない可笑しさが残っているようであった。

「あすこにいた。あの柏の枝の上に。