Classici giapponesi con furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate
そこには何か宿命的な、必然の力も動いていた。彼は敵味方の反目に不快な感じを抱きながら、しかもその反目のただ中へ、我知らず次第に引き込まれて行った。――
現に一度はこう云うことがあった。
ある麗かな春の日暮、彼は弓矢をたばさみながら、部落の後に拡がっている草山を独り下って来た。その時の彼の心の中には、さっき射損じた一頭の牡鹿が、まだ折々は未練がましく、鮮かな姿を浮べていた。ところが草山がやや平になって、一本の楡の若葉の下に、夕日を浴びた部落の屋根が一目に見えるあたりまで来ると、そこには四五人の若者たちが、一人の若者を相手にして、頻に何か云い争っていた。彼等が皆この草山へ、牛馬を飼いに来るものたちだと云う事は、彼等のまわりに草を食んでいる家畜を見ても明らかであった。殊にその一人の若者は、彼を崇拝する若者たちの中でも、ほとんど奴僕のごとく彼に仕えるために、反って彼の反感を買った事がある男に違いなかった。
彼は彼等の姿を見ると、咄嗟に何事か起りそうな、忌わしい予感に襲われた。しかしここへ来かかった以上、元より彼等の口論を見て過ぎる訳にも行かなかった。そこで彼はまず見覚えのある、その一人の若者に、