Classici giapponesi con furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate
」
「へええ、ある人へ渡してくれ? ある人と云うのは、ある女と云う事かい。」
相手は好奇心を動かしたと見えて、急に気ごんだ調子になった。
「女でも男でも好いじゃありませんか。」
若者は余計なおしゃべりを後悔しながら面倒臭そうにこう答を避けた。が、相手は腹を立てた気色もなく、反って薄気昧が悪いほど、優しい微笑を漏らしながら、
「そりゃどっちでも好いさ。どっちでも好いが、その人へ渡す品だったら、そこは君の働き一つで、ほかの勾玉を持って行っても、大した差支はなさそうじゃないか。」
若者はまた口を噤んで、草の上へ眼を反らせていた。
「勿論多少は面倒が起るかも知れないさ。しかしそのくらいな事はあっても、刀なり、玉なり、鎧なり、乃至はまた馬の一匹なり、君の手にはいった方が――」
「ですがね、もし先方が受け取らないと云ったら、私はこの玉を素戔嗚尊へ返さなければならないのですよ。」
「受け取らないと云ったら?」
相手はちょいと顔をしかめたが、すぐに優しい口調に返って、
「もし先方が女だったら、そりゃ素戔嗚の玉なぞは受け取らないね。その上こんな琅は、若い女には似合わないよ。だから反ってこの代りに、もっと派手な玉を持って行けば、案外すぐに受け取るかも知れない。