Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

彼はとうとうしどろもどろに、美貌の若者が勧める通り、琅※(「王+干」、第3水準1-87-83)と珊瑚と取り換えた上、礼には黒馬を貰った事まで残りなく白状してしまった。その話を聞いている内に、刻々素戔嗚の心の中には、泣きたいような、叫びたいような息苦しい羞憤の念が、大風のごとく昂まって来た。

「そうしてその玉は渡したのだな。」

「渡しました。渡しましたが――」

若者は逡巡した。

「渡しましたが――あの娘は――何しろああ云う娘ですし、――白鳥は山鴉になどと――、失礼な口上ですが、――受け取らないと申し――」

若者は皆まで云わない内に、仰向けにどうと蹴倒された。蹴倒されたと思うと、大きな拳がしたたか彼の頭を打った。その拍子に燈火の盞が落ちて、あたりの床に乱れた藁は、たちまち、一面の炎になった。牛飼いの若者はその火に毛脛を焼かれながら、悲鳴を挙げて飛び起きると、無我夢中に高這いをして、裏手の方へ逃げ出そうとした。

怒り狂った素戔嗚は、まるで傷いた猪のように、猛然とその後から飛びかかった。いや、将に飛びかかろうとした時、今度は足もとに倒れていた、美貌の若者が身を起すと、これも死物狂に剣を抜いて、火の中に片膝ついたまま、いきなり彼の足を払おうとした。