Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
泥棒するの罪悪なることは誰でも知っているが、人が見ていないところにものが落ちていると、十に七、八人までは持っていってもよいか知らという気が起きる。盗む気はなくとも欲しい気はある。両者は行為に現れたときは大いに接近している。
聖書に「人を憎むは人を殺すなり」という意味が書いてある。人を憎むのは、機会があれば殺すという行為に現れやすい。彼奴は嫌な奴だ、早く死ねばよいということと、社会になんの制裁もなければ、一歩を進めてみずから手を下すということとははなはだ近接している。ものが欲しいというのと、見る人がなければ拾うということは遠くとも従兄弟同士ぐらいである。欲しがる人が拾わぬというは、世の中に制裁があるからである。
この場合にかねて承知の道心を起こしてここだなという考えをもてば、はじめて落ちた物を拾わないりっぱな人物が出てくる。あるいは拾ってもちぬしを探して、返すごとき人物となる。先年もある青年が婦人の誘惑に陥らんとしたとき、かねて聞いていたことは「ここだな」と思い、ついに危険を脱したということを手紙で通知してきた。青年はみな理想をもっているが、卑近な小さなことにまで翻訳して始めて理想の理想たるところが現れ、かつまた高くなり強くなるものである。