Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate

Aozora Bunko

たとえば誰でも一度か二度は経験しない人はあるまいが、寝ておって、高い所から落ちる夢を見て、冷汗をかいて目ざめることがある。かくのごとき夢はどこの国の人でも見る夢であって、おそらく人類共通の経験に基づいたことであろう。

さて近ごろの学説によれば、これは人類が数万年以前、いまだ猿であったときか、あるいは猿のごとき生活を営んでおったころ、樹木の枝に宿り、木から木に伝わり、それこそ夢の浮き橋を渡るような交通法を行っておった際は、諺に違わず、折々は木から落ちることもあったに違いない。われわれの祖先にとってはこれほど怖いことはない。悪く落ちれば絶命は必定であるが、幸い途中の枝にでもかかれば生命だけは助かる。しかるに助かった者には永久忘れがたい恐しい経験である。したがってこのことは全身、全心に沁みこんで、死ぬまでも記憶に留るのみならず、子孫の記憶にまで留って人類の潜在識に化するにいたる。これがすなわちわれわれの代になってもなお、時々は現れ出て冷汗をかかせる理由となる。

これについて奇態なことは、高きより落ちる夢を見て、けっして下まで落ちきった夢は見ない。いつも夢の浮き橋で中絶するという風である。