Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

でも、取って三十の又三郎は、どうやらこうやら起出すと、そのまま上方へ飛んで、知り人の金で本式の結改場(矢場)を開きました」

「…………」

一座は矢場と聞いてザワザワとなりました。

「それから十年、商売の楊弓を稽古してしっかり磨き、京に幾人という名人になった又三郎は、名と姿を変えてこの御屋敷に入り込み、殿様に怨みを酬いる折を狙ったのでございます。江戸の楊弓番付をどんなに調べても、殿様に怨みを持つ者のなかったのはそのわけでございます」

「誰だ、その曲者は」

大村兵庫はたった一つの眼を光らせて見廻しました。四十前後と言うと、村川菊内、仲間勝造、それに二人の小侍がありますが、いずれも曲者らしくはありません。

「あの時在処の判らなかった二人のうちの一人でございます」

「誰だ、それは」

「一人は狷之介様、――しかしこれは又三郎にしては若過ぎます」

「…………」

狷之介は黙ってうつ向きました。なんかやましい事があったのでしょう。

「奥方の御憤りを思いやられるのは、御姉弟の情としてご尤ですが、曲者を御見逃しになったのは御手落でございました――」

「それは真実か、狷之介殿」

兵庫の一つの眼はギラリと光ります。