Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate
「…………」
「この箱は納屋の二階に置いたもので、独りで落ちて来るわけがありません。誰か押し転がして落したか、二階の手摺の上に載せて置いて、紐で引いたか――とにかく細工があったことは確かで、ちょうど番頭は留守だし、私が頑張って誰にも手を付けさせないだけの事は致しました」
勝造の言葉は毒を含んで、誰かに当て付けていることは疑いもありません。
「誰にも手を付けさせない代り、勝造叔父さんだけは付けたかも知れないわねエ」
「何だと、阿魔」
勝造の忿怒の視線を辿ると、人垣の後ろから、二十五六の化粧の上手な女が、赤い唇を歪めて、冷たい笑いを送っているのでした。
「あれは?」
「お粂という女で、先代の甥の菊之助がどこの矢場からか拾って来た代物ですよ」
「伝馬町の大牢から這い出した、博奕兇状持よりは少しはましでしょうよ」
お粂は決して負けてはいません。
「何をッ。引摺り奴」
いきり立つ勝造を、
「まアまア勝造さん、折が悪い、我慢してやって下さい。――親分さん、どうぞ、お聞流しを願います。腹ん中はみんな良い人達なんだが――」
番頭の徳三郎が一生懸命とりなします。
「番頭さん、御主人は何だってこんな場所へ来なすったろう。