Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

「番頭さん、お前さんは何と言っても、後々の始末をしなければなるまい。菊之助さんの話をよく聞いて、折があったら、勝造さんにでも立ち会って貰って、その瓶を捜してくれまいか」

平次は後ろの方で事件の成行きを不安そうに眺めていた徳三郎を顧みました。

「ヘエ、承知いたしました」

商人らしい早速の返事ですが、騒ぎに転倒して、何となく気のない声です。

「それから、勝造さんの娘さんがあるとか言ったが」

と平次。

「これですよ、親分」

人垣の後ろの方から、父親の勝造が引張り出したのは、すっかり怯え切った十八九の娘でした。丸ぽちゃの、なんとなく可愛気のある顔立ちで、妖艶なお粂とは、好い対照になります。

「お勇さんとか言ったネ」

「…………」

「騒ぎの起った時はどこに居なすった」

「奥で、婆やと一緒にお仕事をしていました」

「主人はどんな人だと思った、お勇さん?」

「…………」

「どうせ、良くは思わなかったろうな」

「え」

お勇は掛引も知らないような娘でした。

「お父さんと仲が悪かったろう」

「え」

「お勇さんはここに居るのが嫌で嫌でたまらなかったろう。――が、御新造が死んでしまえば、主人といっても先代には他人のようなものだし、お勇さんでも入って来なきゃア、越前屋の跡が立たない――とか何とか言う人もあったんだろう」