Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

お島は少し遠くて外神田の松永町に住んでおりますが、芸達者なことは江戸中の評判者で、門付こそしておりますが、知らぬ者のないほどの名物女だったのです。

その話の弾んでいる真っ最中でした。

「わッ、何てことをしあがるんだ。人の家の中へ、いきなり物を投り込みやがって」

不意に八五郎は飛上がりました。外から投り込んだ紙包が、障子を破ってしたたかにガラッ八の背中を喰らわせ、その辺一面に飛散ったのです。

「八、腹の立たねえものだ。見な」

「おや」

畳の上へ飛散ったのは、燦たる山吹色。かき集めると、小判でちょうど三十枚あるではありませんか。

「これはなんだい、一体」

平次も呆れました。長い間御上の御用は聞いておりますが、まだ金を投り込まれるような怨みを受けた覚えはなかったのです。

「さずかり物だぜ、親分。人間は平常が大事だ」

「…………」

「遠慮することはねえ、黙って取っておきなさるがいい。せめてお静さんに新しい春着でも拵えてやってよ、親分もたまには暇をもらって湯治にでも行って――」

「馬鹿野郎」

「ヘエ」

「とんでもねえ野郎だ。手前は人間が正直だけがせめても取柄だと思ったら、こんな素性の知れない金を、猫婆を極めさせようというのか」