Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate
「馬鹿ッ、夢でも見たんだろう」
大僧達に叱られて、兼吉はベソを掻いてしまいました。
しかしちょうど臆病窓の下、乾いた土の上が一尺四方ばかり、そこだけぐっしょり濡れているのを見て、叱った大僧達も思わずハッとして顔を見合せました。
翌る夜の――丑刻(二時)頃。
手水に起きた主人の治兵衛が、フト昨夜の話を思い出して手洗い場の障子を開けて、丈夫に出来た格子から、月明りにすかして中庭を見やりました。期待するような、物なつかしいような、そのくせ恐ろしく歯の根も合わないような異様な心持で、右から左へ眼を移すと、――
灯籠の蔭から半分身体を出してこっちを差覗くようにションボリ立っているのは、紛れもなく娘のお雛、青白い額口から、少しばかり血をにじませて、白々としたものを引っかけた姿は、この世の者とも思われません。
「あっ、お雛じゃないか。お待ち」
横手の雨戸に飛付いて、大町人らしい厳重な締りをガタガタ外し、一枚開けると、夢中になって中庭へ飛出しましたが、そのとき眼に触れるものは、時代のついた石灯籠ばかり、お雛の姿は掻き消すように失せてしまいました。
「お雛がどうかしましたか」