Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate
「判ったか八、戸締りに異常はなく、外には柔かい土を踏み荒らした跡もないから、この下手人は家の中の者だ」
「ヘエ、あっしでもそれくらいのことは判りますが」
「お茂与が銭箱を開けて見ているところを、後ろから忍び寄って絞めたんだ。下手人が近づくのをお茂与ほどの女が知らずにいるはずもないから、こいつはお茂与に近い人間で、お茂与は大して驚きもしなかったと見る方がいい」
平次はお茂与の死骸を前に、次第に謎をほぐして行きます。
「すると親分?」
「お茂与が我が物顔に小判を眺めているところを、後ろへ廻って首へ細引をかけた、――前の晩主人の善五郎の首に巻いた細引だ。お茂与はその人間には驚かないが、細引には驚いたろう。ハッと思うところを、グイグイと絞めた。若くて張りきっていて、お茂与憎さで一パイになっているから情けも容赦もない。お茂与は見事に自分の掘った穴に落ち込んで死んでしまったのさ」
「自分の掘った穴ですって、親分」
「そうさ、自分の拵えた筋書通りの死にようをしたのだ」
平次の言う情景は凄まじいがしかし争う余地のないものでした。お茂与のような賢い女が、全く予期もしない相手のために、ゆうべ善五郎の首に巻いた細引で、驚愕と恐怖のうちに苦もなく殺されてしまったのでしょう。