Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate
平次の差した盃を下に置いたまま、弁じます。
「親分、吹矢は小艶のこめかみへ真っ直ぐに立っていたそうですよ。六間も上の綱の上にいる人間のこめかみへ、下から吹きつけた吹矢が、真っ直ぐに立つはずはないでしょう」
「その通りさ、俺はそれを知りたかったんだよ。それから黒衣は」
「黒衣は衣裳戸棚にありますが、黒衣を着る後見人は二年もないそうです。芸人が皆んな馴れて、黒衣が要らなくなったんだそうで、これは権次郎の自慢でしたよ」
「その黒衣を見たのか」
「いいえ」
「それだから無駄な骨を折るんだ。明日でいいから、もういちど行って見て来るがいい。二年も着たことのない黒衣なら、さぞ埃がひどかろう、畳み目をよく見るんだ。――それから梯子は?」
「やはり舞台の隅に、見物から見えるのが一つあるだけですよ」
「そんなはずはない」
「もっとも道具裏にも綱は幾本も下がっていますが」
「その縄を手繰って上へ登れるはずだ。これも明日よく見て来るがいい。一座の者は皆んな身体がきくんだぜ。縄が一本ありゃ、五間や六間は苦もなく登る」
「なるほどね」
「まア、そんなことでよかろう、明日もういちど行って、衣裳戸棚を捜すがいい。