Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
子供のない夫婦っきりの生活は、極度に倹約だといわれていた。――一例をあげると、月給はそのまま郵便貯金にしてしまい、生活費は高品さんの奥さんから借りるのである。むろん計面性に立つ倹約生活だから、借りる金額もさして多くはないし、次の月給日にはきちんと返済する。そして残りはまたそっくり郵便局へ持ってゆき、金が必要になると高品さんの奥さんから借りるのであった。
――たいしたお金じゃないから貸し惜しみをするわけじゃないわよ、と高品夫人はいつか私に語った。だけれど郵便局へ預けた分には利子が付くでしょ、自分のお金には利子が付くようにしておいて、生活費のほうは人から借りるなんてこすいじゃないの。
貧しさから生れる知恵はつつましく、そしてたいていはかなしいものだ。末吉夫妻の知恵は貧しさから生れたものではない。夫妻の生活は貧しいものだろうが、その知恵は貪欲に通じるように思える。
――いまに高利貸しでもやるつもりだろうさ。
蒸気乗りたちは蔭でそう云っていた。
私は末吉エンジと五目並べをしながら、相手の置く石の一つ一つが、みな三四、または四四になるような、極めてゆだんのならない気分を味わっていた。