Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

残酷な插話

私は笑いをかみころしてまた訊いた。

「そんなこと云えるもんですかよ」と栄子はふきげんに答えた、「こっちは本当に毒をのんだことになってたし、医者の手当まで受けてるんですもの、嘘だったなんて云えば詐欺罪にされるかもしれないじゃないの、現に岸がんのやつは駐在所から分署へ、そして本署までまわされて、何十日かぶたばこへ入れられたうえ、幾らとか罰金を払わされたっていう話よ、人を騙したばちね、いいきみだわ」

酒がすっかりなくなると、栄子はさばさばしたようすで、鼻唄をうたいながら帰っていった。

残酷な插話

堀の南の洋食屋「四丁目」で、東浦バス会社の会計主任が、三人の運転手にビールを奢りながら話していた。彼は三十二歳くらいで、名は杉田春といい、周囲の人たちに「春さん」と呼ばれ、誠実さと頭のよさとでたいそう敬愛されていた。細おもてで色が(土地の者にしては)白く、濃い眉毛にもいやみはないし、まっ白で丈夫そうな歯を見せて、笑いながら話す口ぶりは静かで考え深く、自分で納得のいかないことでもすぐには反対しない。よく検討し慥かめてみたあとで「どうも月にゃ兎は棲んでねえようだな」