Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

もうこれで終りだろうか、娘の気持はさめてしまったのだろうか。彼は二人の仲を裂かれたときよりも激しい不安と、絶望感におそわれた。だがそれは思いすごしで、彼女はそのあいだ産褥についていたのだ、ということがわかった。再び土堤へ姿を見せたとき、彼女はおくるみで包んだ赤子を抱いていた。

「おかしなことだが」と幸山船長は云った、「まったく根もねえ話だが、そのときおらあ、あのこが抱いているのはおらの子だっていう気がしたっけだ、あの子がおらの子を生んだ、いま抱いているのはおらたち二人の子だってよ、先生なんぞにゃあばかげて聞えるかもしれねえだがね」

彼女の生んだのは女の子であった。

あとでわかったのだが、彼女の産は重く、そのため躯が弱ったということで、土堤へ姿を見せないことが多くなった。しかし、こんどは彼は疑いも不安も感じなかった。相当な資産家の主婦であり、また子も生んだとなれば、ときには都合の悪いこともあろう。番たび土堤に出て来られないのは当然だ、というふうに考えるようになった。

彼は二十七歳でエンジナーになり、結婚した。相手は郷里の水戸在に育った娘で、気が強く、言葉も動作も荒っぽく、彼は始めから好きになれなかった。