Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
――そりゃあたいへんでしたね、疲れ休めに酒でもつけましょうか。
――いやよしにすべえ、おらあ酒を飲むと却ってあとが疲れるだから。
――それだけがあんたの損な性分ねえ。
こういうふうな会話が、現実そのもののようにとり交わされるのである。自問自答とか、空想めいた感じは少しもない。彼がこんなふうに云ってもらいたい、と期待するときに、彼女はしばしば彼の意志にさからったり、子供のように拗たりすることさえあった。
「あのこはときどきうちへ帰りたがっただ」と船長は云った、「子供のようすをみて来てえだからってね、むりはねえさ、おら船が永島へはいると、ゴースタンをかけ、スローアヘーにするだ、そうするとあのこはうちへ帰るだよ」
これは誰も知らなかったし、誰に気づかれることもなかった。ただ、永島へかかるときに限って、船を「後退」にし、「微速前進」にするのがわからず、頭がどうかしたんだろう、と云われたことがあった。
「いまでもみんなは、おらの頭がどうかしてると思ってるだよ」そう云って、船長は可笑しそうに喉で笑った、「――ぶっくれの十七号船を貰って、こんなところで独りぐらしをしているのも頭がおかしいせえだってよ」