Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
――私もときどき道で挨拶をされたのであるが、初めのうちは自分が恋されているのではないかと思い、われ知らず胸がときめいたものであった。唇は、――小さくて厚ぼったいだけであった。むしろそれだけ見ればみにくいと云ってもいいだろう、もっとも特徴があり忘れがたいのはその声で、ちょっと鼻にかかる、あまったれたような話しぶりとその澄んだきれいな声とは、どんなに悪意をいだいた人間の心をもとろかすだろう、というほかに云いあらわす言葉がない。――こういう娘には、よほど運がよくっても一年に一度くらいしかゆきあわないものだ。美貌というだけではなく、彼女のぜんたいから受ける清純、初心、可憐、という印象に似たものは、私自身もそれ以来まだみかけたことがないのである。
「ふん、野口のすずあまが」
貝を掘るための竹籠を作る「籠屋」のおたまが、或るとき私に向って云った。おたまも小学三年生であり、「千本」の長とは違った立場で、私にいろいろな情報を提供してくれていた。
――綿屋のおつゆちゃんは十二でちょぼちょぼと生えた。
――仁作んとこのおっかあは二十三号船の平井エンジとできちゃって、毎晩どっかへ二人でつるみにゆくだ。