Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

そこで支配人は旦那にそのことを告げた、すると旦那は、あいつはおれの命の恩人だから好きなようにさせておけ、と云った。命の恩人とはどういうわけなのか、旦那はその理由を云わなかったが、支配人はひきさがるよりしかたがなかった。そんなことのあった前後から、増さんの女房いじめが始まった。結婚の話が出たとき、どうして逃げたのか、というのが手をあげるきっかけであった。ほかに男がいたのだろう、正直に云ってしまえ。そう喚きながら殴ったり蹴ったりする。きみのはただあやまるだけであった。逃げたのはわけもなく怖かったからで、もちろん男などはいなかった。それは誰でも知っているし、おまえさんもよく承知している筈だ。逃げたのは悪かったからあやまる、「どうか勘弁しておくれ」とあやまるだけであった。どんなにひどいめにあわされても、決して大きな声をだしたり、身を護るとか、逃げるなどということはしない。両手で頭を抱え、足をちぢめて、増さんのするままになっていた。

「おら隣りにいただよ」と平二郎は云った、「いまでも隣りだが、そのじぶんも隣りにいたからよく知ってるだ、幾たびか止めにいったこともあった、なにしろ殴ったり蹴ったりする音が筒抜けに聞えるだからね」