Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

「知ってなくってさ、みよっこは、――よしな、まあ、いけ好かねえ」

「痛えな、そんなことしなくってもいいじゃねえか」

「よわ虫、なにさこんくれえなこと」

「痛えってば」

そこでちょっと声がとだえ、口笛のような妙な声が聞えた。なんの音かはすぐにわかった。芒の葉を横にして唇に当て、中ぐらいの息で吹くのである。草笛とは違うが、単純な田舎めいた顫震音が出るのだ。恋をさそいかけている若者にしては、子供っぽいことをするな、と私は思った。女がそんなことをよろこぶ筈はない、まもなく「あああ」と女が退屈の声をあげ、男は芒笛をやめた。

「おめえさっき女ばっかり苦しいめにあうって云ったっけが」と男が云った、「それがわかっていてどうして嫁にゆく女が絶えねえだえ、嫁にゆくめえにだって、男をこしらえる女は数えきれねえくれえいんじゃねえか」

「そりゃあみんな男が悪いからさ、男がうめえこと云って騙すから、つい本気んなって苦しいめにあっちまうだ、昔っからいつも男が悪いために」

「りょうは新しいべか舟を買っただな」と男が云った、「元のべか舟はじいさまの代からのもんで、浦粕一のぶっくれ舟だっけだが」