Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
すると死にそうになる、二人が泣いて抱きすがると、いやまだだ、ほっとして助かるかもしれねえと思って、それはそれで嬉し泣きをするてえと、すぐにまたそら危ねえとなるってえあんべえさ」
三人の運転手は黙ってビールを啜った。かれらの顔には、その「依怙地」な心臓に対する反感が、隠しようもなくあらわれていた。
「だが助からねえものは助からねえ、寿命が尽きれば天皇さまのお子さまだって死ぬだ」と春さんは三人の眼をさまさせるようなことを云った、「――まあ三日めの夜の十時ごろだっけか、ちょうどおらが交代になってまもなく、島田初年兵は死んだだ」
三人は春さんを見た。寿命が尽きれば天皇の子さえ死ぬ、というショッキングな指摘と、さすがの心臓がついに兜をぬいだ、という表現とで、眠りかけていた好奇心がにわかに生気を取り戻したようであった。
「そうだかい」と運転手の一人がテーブルを撫でながら、いまにも笑いだしそうな、しかし悲しみの味をきかせた調子で、首を振りながら云った、「――やっぱりな」
「おらあ当直の軍医を呼んだだ」春さんは淡々とした口ぶりで続けた、「やって来た若い軍医は脈をみ、心臓へ聴診器を当て、瞳孔を見ただ、それから椅子に腰を掛けて、患者がまちげえなく死ぬのを待ってたっけだ」