Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

「おい」と私は彼女に云った、「ひどいめにあったな、これで終ってくれればいいがね」

私の心にあたたかな愛情がわきあがった。そんなにもぶざまな恰好の、愚かしげなべか舟はほかにはない。そのために嘲笑され、憎まれているのだが、それはそんなふうに造った者が悪いので、彼女自身には責任のないことである。彼女はなんの罪もないのに造った者の誤り、または臍曲りの代償を払わされているのだ。しかも彼女はその寃を訴えることさえできず、黙って住民たちに嘲笑され、悪童どもの投げつける石に耐えなければならないのである。

「ひとつ考えてみよう」私は彼女の修理された舳先を撫でながら云った、「問題は(青べか)という概念だ」

青いペンキを剥がしても、「塗っても青べかは青べかだ」と芳爺さんは云った。それは要するに、その舟に関する住民たちの認識の根底をなす普遍的概念であろう。とすれば、それを青べかでない他のもの、つまり属性の転換をすればいいのではないか、と私は思った。

「待てよ」と私は呟いた、「まあ待て、考えてみよう」

私は夕めしを喰べに堀南の「天鉄」へゆき、そのあとちょっと買物をして帰った。