Classici giapponesi con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
どこの宿六でも自分の無力無能のせいで女房をヤリクリ妖術使いにしておきながら、ヤリクリなしの遊び女にひそかにアコガレをよせているいずれも不届きの曲者ぞろいで、さてこそ女房がこぞって遊女芸者オメカケを敵性国家と見なすのは重々左もあるべきところである。見えも聴えもしなければ我慢のしどころもあるけれども、目に見え耳に聴えては痛憤やるかたないのは御尤も、それでも胸をさすっていると、一緒に芝居見物に行って酔っ払っておそろいで賑々しく帰ってきて女房の部屋へは顔もださず、マダムの部屋で馬鹿笑いをしながら飲ませて貰っている。〆切に追いまくられ女房が鍋の音をガチャリとさせてもギラギラした目を三角にしてジロリと睨むくせに、マダムが先生チョットと呼びにくると困りきった顔半分相好くずしていそいそと出たまま夜更けまで帰らずベロベロになって戻って小説は間に合わず、貧窮身にせまる。
然し宿六の心事は複雑奇怪で、彼は決して女にもててはいなかった。彼はていよくマダムにあやつられ、それというのが、彼がその道にまったく稚拙で単なるダダッ子にすぎないのだから旦那の信用を博している、そこでマダムは彼をつれだし、ついでに男をつれだして、彼を気持よく酔わせておいて、アラ、チョット先生忘れた用があるからとか、買物をしてくるから、とか、人に会ってくるとか