Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
酔っ払うと大はしゃぎで、ふだんは蚊のなくような細い声しかでないくせに、こんなチッポケな痩身のどこからでると思うような破れ鐘の声で応援団のように熱狂乱舞して合いの手に胴間声にメッキのようなツヤをかぶせて御婦人を讃美礼讃したり口説いたりする。小さなアパートにこれが筒ぬけに響くから、
「アラ先生、奥様にきこえてよ」
などと言うが、これが又わざときこえよがしの声でナガシメを送るのだから、庄吉は益々有頂天で、
「僕は女房はきれえなんだ。年ガラ年中筍の皮をむいたり玉ネギをコマ切れにして泣いたり、朝から晩までいつだってそうなんだから毎日何百本も筍を食ってるわけじゃアないんだから、アイツは一本の筍を五時間もむく妖術使いなんだなア。その妖術のほかに人生の心得は何一つないんだから」
これがきこえてくるからカンベンができない。日本の女房は概ね女中兼業で、兼業の方に主力が置かれている状況であるが、当人が好んで兼業に精をだしているわけではなくて、亭主が無力で女房と亭主友だちづきあいというわけに行かないシクミだから涙をのんで筍の皮をむいている。しかるに何ぞや。自分の無力無能をタナにあげて、女房は世帯じみて筍の妖術使いだと言う。